ミライエ
かつて小高で盛んだった養蚕業を復活させたいです。シルクを原料とした化粧品などで、繭の需要を高め、将来的には製糸業の確立を目指します。小高産繭のシルク製品を通して、地域の魅力発信につながればと思っています。

物件決定!!

この希望者の方は無事物件が決まりました。
物件をご紹介いただいた皆さま、ありがとうございました。

Profile プロフィール

平岡雅康さんのプロフィール写真

平岡雅康さん

  • 肩書・仕事 株式会社Fukushima Watch Company 代表取締役 / HANDS合同会社 代表社員 / 福島シルクラボ株式会社 代表取締役
  • SNS

埼玉県さいたま市大宮区出身。時計業界に身を置き2009年に独立。2018年に機械式腕時計ブランド『mirco(ミルコ)』を立ち上げる。養蚕家としての顔も持ち、2021年にシルク製品を製造・販売するHANDS合同会社を設立。また、東日本大震災直後から被災地で花火を打ち上げるプロジェクトに参加し、10年間活動を続ける。2020年に自身が主催した花火大会をきっかけに、2022年に小高へ移住。同年、株式会社Fukushima Watch Companyを設立。2024年1月には福島シルクラボ株式会社を設立し、小高で養蚕業を復活させるべく奮闘中。

希望物件

  • 希望エリア・立地小高区内
  • 物件の広さ2DK~3DKの一軒家
  • 希望の賃貸価格
  • 希望の購入価格300万円以下
  • その他の希望 納屋、駐車スペース

自己紹介

平岡雅康です。小高に魅せられ、2022年に移住しました。

大宮で生まれ育ち、機械式腕時計の事業を展開していた私が小高に移住するきっかけになったのは東日本大震災です。花火好きで、以前から東北を身近に感じていた私は、被災地を花火で元気にしたいという「LIGHT UP NIPPON」のプロジェクトに賛同し、活動していました。

活動を続けている中で大きな壁となったのが新型コロナの影響です。人が集まる花火大会は軒並み中止される状況で、なんとか開催できる場所はないかと調べているときに、小高の存在を知りました。「昔から“火の祭”で大きな花火玉を打ち上げていた実績と、観客が密になりにくい環境がある小高ならその壁を越えられるかもしれない」と感じ、ピンポイントで小高を訪問。行政に話したところとても好意的に受け止めてくださり、許可をいただいたんです。

2020年には主催者として小高で花火大会を開催。多くの人と関わり、小高を知れば知るほど移住への思いが強くなっていきました。そして少しずつ準備を進めて2022年に小高へ移住し、株式会社Fukushima Watch Companyを立ち上げました。

機械式腕時計ブランド『Odaka』では小高の代表的な農産物の色で名前を表現。この日はChestnut Brownを身に着けて

以前は養蚕が盛んだった小高。私のふるさとである大宮も、かつては「製糸の街」でした。私は大宮の養蚕を復活させるためにお蚕さんを育て、会社を興してシルク製品を製造・販売していた経験があります。「花火」と「養蚕」という自分にとっての共通点。私の移住は小高に引き寄せられたのではないかと感じています。

やりたいこと

小高で養蚕業を復活させたいです。そのためにも、まずは十分な広さのある空き家を確保し、養蚕を少しずつ広げていきたいと考えています。

日本全国どの地域においても養蚕業の衰退が課題となっており、南相馬市も例外ではありません。その中でも小高は近年まで養蚕業が残っていた地域で、桑畑が広がっていた名残や養蚕に関する知識・経験が根付いています。そのため、小高で養蚕を復活させるのは地域にとって大切なことの1つだと思っています。

製糸に着手する前に、まずはシルクを原料とした製品を作り、シルクの需要を高めることが先決だと考えています。そのために、2024年1月に福島シルクラボ株式会社を設立しました。

実は2022年9月に小高へ移住してからすぐに養蚕を始め、その年末には繭を収穫することに成功しています。これまでに2回、それぞれ約4,000個の「小高産繭」を収穫しました。現在はこれらの繭を使い、化粧品として「シルクせっけん」を製造中です。シルク繊維に含まれるアミノ酸のバランスが肌にとても優しいため、赤ちゃんの肌にも安心して使えるせっけんとなっています。

すでに大宮で製造・販売の実績があり、老若男女問わずたくさんのお客さまにご好評をいただいております。そのノウハウを生かし、「小高産のシルク石鹼」を作って繭の需要を高めていきたいです。

化粧品以外にも、繭の繊維や素材を使ってできることを増やしていきたいと考えています。

例えば、いま世界中で研究されている「シルクプラスチック(樹脂)」。シルクは蚕の繭から作られるタンパク質の天然繊維なので、環境に配慮した製品作りができます。

繭の中にいるサナギの活用にも挑戦中です。まだ実験段階ですが、現在はナマズの餌にしています。ナマズは食用としても利用できるため、循環型のサイクルを構築して持続可能な仕組みを作れればと考えています。

このように、お蚕さんから生まれるさまざまな可能性を広げながら実績を作り、最終的には繊維事業として確立していきたいです。

やりたいことへの想い・理由

小高の昔の地図を見ると、桑畑がたくさん広がっていて、機織り工場も数多く存在していたことが分かります。かつては多くの家でお蚕さんを飼っていて、当時の様子を伺うと、どの方もいきいきと話してくださるのが印象的でした。豊富な経験がある方々が近くにいることは心強く、だからこそこの場所で復活させられる産業のかたちがあるはずです。

繊維業の復活と、震災からの復興。その両方をこのお蚕さんが担っていけるのではないかと考えています。シルクの流通が盛んになれば、「まちづくり」にもつながっていくと信じています。

花火の打ち上げ場所を探していた頃、海から山まで小高の至るところを探し歩いていた時に「ここはなんて素晴らしい町なんだろう」と感じたんです。ありのままの自然が大切に残されていながら、震災後に作られた建物が町と馴染んでいるのがいいなって。ほかの被災地域とは異なる独自の世界観があり、ある意味で「奇跡の町」だと思いました。

小高に残った人も、戻ってきた人も、移住してきた人も、その環境の中でのびのびと暮らしている姿は、私がよく訪れていたヨーロッパの田舎町の雰囲気そのものです。小高は親しみやすい方が多く、食べ物もおいしい。そこにシルク製品が加わることで、より多くの人が小高の魅力を知るきっかけになれば嬉しいです。そして、小高の人にも気付いてほしいですね。「小高って、めちゃくちゃすごいとこだよ」って。

できること

■養蚕

現在は桑の葉を原料とした人工飼料を使っています。いずれは桑の木を植えるところから飼料づくりにも取り組んでいきたいです。

■シルク製品の製造・販売

「シルクソープ」のほかにも、繭を原料とした製品を開発していきます。

■機械式腕時計の製造・販売

『mirco』『RAW.』『Odaka』の3ブランドを展開中。今後は福島県内の市町村をテーマにした時計を製作していきたいです。

物件への要望

小高で納屋付きの一軒家を希望しています。納屋は養蚕に使うためです。母屋は普通に生活できるだけの余裕があればいいので、2DKから3DKくらいあればいいと思っています。この地域の一軒家はサイズが大きいので、あまりこだわりはありません。

納屋付きの物件がないようであれば、母屋の生活スペース以外に、養蚕用の部屋としてプラス1部屋か2部屋ぐらいほしいです。10畳から12畳ぐらいの広さがあるといいですね。

駐車場は、自家用車と来客用に2〜3台分あればと思います。

  • Share